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北海道新聞。

障害越え、深まる相互理解。
交流団体設立。 市内外から参加者。

視覚障がいのある大曲の山口さん。
バス旅行や白杖訓練企画。

視覚障がいのある山口久美子さんが、交流グループ「めねっと北広島」を設立し、障害の種別や有無を越え、障害のある人もない人もバスツアーや白杖訓練会などを通じて楽しみながら互いに理解を深めている。暮らしやすい地域作りにつなげるのが目標だ。

めねっと北広島は今春に会員七人で発足し、現在までに札幌や美唄在住の人も加わって、三十~七十代の22人に増えた。半数は視覚障害者だが、車いす生活を送る人のほか、健常者もメンバー。

今年は白杖を使う訓練や、ボウリング大会、空知管内の名所を巡るバス旅行など四つのイベントを企画した。山口さんは「全盲の男性会員から『健常者の会員と対等に話ができてうれしかった』と言われた言葉が胸に残る」と振り返る。

ただ8月に札幌競馬場で行った催しでは、障害者をサポートする形になった健常者に負担がかかりすぎてしまったという。「奉仕する側、される側の関係だと本当の意味での楽しさをわかちあうことにはならない」と反省し、今後の運営に活かしている考えだ。

山口さんは三十七歳の時、進行性の難病「網膜色素変性症」を発症した。病気の進行が比較的遅かったため、五十一歳の時に同い年だった夫を事故で亡くした後も60歳まで看護師として働き、四人の男児を育てた。「生きるため、とにかく必死で働いた」と振り返る。

「人と関わりながら、社会の中で普通に生活するのが障害者の願い」と山口さん。「障害者が自由に自分の気持ちを発信できる機会」として活動を続けていく。

年会費千円。誰でも入会できる。申し込み、問い合わせはメールで、

menetkitahiro@gmail.comへ    

【写真:めねっと新聞をもったスマイルきらりん,バックはクリスマスツリー】
「めねっと北広島」のチラシを手にする山口さん。視力が弱い人が見やすいよう,文字と背景の色を白黒反転にしている

北海道新聞北広島版2019/12/25
北海道新聞空知版2020/1/8