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きらりん会長です。
多分、会員の皆さん自身もご存知ないとは思うのですが、当会はAKBと同じく、会員No.があるんです。
それで、なんと盲導犬枠もありましてね、No.18枠なんです。一頭、一頭にNo.をつけると、会員数とかなりごちゃ混ぜになるので枠にしました。ですから盲導犬あかりちゃんもシルクちゃんもNo.18なんですね。なんで18かって?ま、会員名簿作成時のミスからできた空きNo.でして、盲導犬も仲間だと、軽いノリで決めました。
そのあかりちゃんが、北海道
盲導犬協会発行機関紙「北の盲導犬たより」新年号の表紙になりました。また、2ページに渡り、ユーザーのリリーさんへのインタビューを元にした記事も載っています。盲導犬協会に記事のテキストデータをいただき、アップしましたのでご一読くださいませ
リリーさんのてんこ盛りの楽しい毎日が載っています。
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盲導犬との暮らし 3盲導犬を我が子と思って二〇二〇年からアカリ号のユーザーとなった松原広美さん。仕事や買い物、そして趣味のマラソンや手芸・料理・俳句など、毎日アカリと積極的に出かけています。そんな松原さんのアカリとの暮らしとは……。盲導犬を希望した理由 長年、見えにくい状態だったのですが、3年前にさらに見えなくなり、歩くのが困難になってきました。特に冬ですね。そのとき白杖歩行訓練の先生に「盲導犬は冬でもしっかり歩く」と聞いたので、盲導犬協会に電話したんです。1年もたたない昨年8月にアカリがやってきました。ユーザーになるまで2、3年かかると聞いていたのですが、タイミングが合い訓練を始めることができました。 アカリはとても優しい子です。「お母さんはせっかちだから歩道の縁石でたまにつまずくよね」と知っているので、その場所になると「縁石だよ。つまずかないようにゆっくり歩いてね」という感じでゆっくり歩いてくれます。アカリとの生活が始まって1年が過ぎましたがアカリが一生懸命歩いてくれるので、安心して歩けます。アカリとの日々の暮らし 私の仕事はあん摩マッサージ指圧師です。車で送り迎えをしてもらって出張マッサージの治療を行っていますが、アカリはどこに行こうが「私はそばにいるから用事があるときは呼んで」という感じで全然動じません。そこがアカリのすごいところです。ほとんど知らん顔をし、手を顔にかぶせて寝ています。「行くよ」というまでは動きません。だからみんなに「お利口だね」と、どこに行っても褒められます。 彼女のためにもなるし、私のためにもなるので仕事以外でも1日1回は出かけています。普通に区役所や地下鉄を利用して視覚障がい者情報センター、それに婦人部の役員をしている札幌市視覚障害者福祉協会にもアカリと行きます。その他、オンラインでの当事者講師として講演する勉強もしています。 先日は友だちと待ち合わせ、情報センターが行っている俳句の会に初めて参加しました。自分で俳句を六首創って行ったのですが、アカリのことを詠んだ「犬なれど ともに寄り添う 秋の道」という俳句だけは、訂正がなく先生に褒められました。趣味を楽しむ 私の趣味はマラソンや料理・手芸、それに視覚障がい団体のお花教室にも参加しています。料理では忘れられない言葉があります。私のマッサージの患者さんでもあった友だちが「口に福ありと書いて幸福というのよね」って。ブラインドであっても健康な人であっても、食べることが一番の幸せではないかと思います。 マラソンとの出会いは、失明したときに、夜眠れなくなってしまい、その状態が続いて、体重が7~8キロ減ってしまいました。たまたま後輩から「マラソンを走ってみない?」と誘われていたので、「走ったら眠れるかな」と考え、マラソンを始めてみたら良く眠れるようになりました。 マラソンは、ボランティアの伴走者と一緒に走ります。走り始めて3年、今では公園内のコースを9キロ走れるまでになっています。 ランニング中、アカリは公園内にある事務所などで待機しています。アカリはとてもおとなしいので「お利口さんですね」と必ず褒められます。AIアシスタントの活用 今、盲導犬協会の日常生活訓練の一つであるスマートフォンの使い方を教えていただいています。アカリと歩いていると、なぜか突然知らない道を通ることがあるんです。私は『ワープ』したからだと思っているのですが(笑)。そんなとき、スマホアプリに「今どこにいるの?」と聞くと「○○ですよ」と音声で教えてくれます。その他、例えば地図アプリで検索して、「自宅」といえば「わかりました。前方400m左」などとちゃんと教えてもらえるので、私にとってスマホは大切なアイテムになりました。その他、AIアシスタントは「料理のレシピ教えて」「今何時?」「今日の日の入りは何時?」等々、尋ねればいろいろ教えてくれます。 また、視覚障がい者の情報収集サービスとして朗読された音声図書を借りられる「サピエ図書館」も、いつも利用しています。聞いても聞いても聞ききれないくらいの書籍数があり、いま私のお気に入りになっています。アカリに生かされて 私はアカリに生かされている気がします。目が悪くなると昼なのか夜なのか、時間感覚がわからなくなるんですよ。すべての生活が停止してしまう。でもアカリがいると食事やトイレ出しなど、規則正しい生活をしていくことが欠かせません。かわいい娘ですから。だからアカリとの生活は、私の心のリハビリになっていると思います。 私が書いたアカリの詩です。 盲導犬が家にやって来た ユーザーさんの光になってとつけてくれた名前「アカリ」 砂をまきあげる風の日、テカテカの暑い日、冷たい雨が頬をたたく日、ハーネスとリードを持っていざゆかん(取材・文/小西義孝)